[レポート] エア・カナダが事業ライン全体で顧客サービスを革新する方法 [How Air Canada is innovating customer service across lines of business] に参加しました #BIZ211 #AWSreInvent
こんにちは、コンサル部@大阪オフィスのTodaです。
今日は「エア・カナダが事業ライン全体で顧客サービスを革新する方法」というセッションに参加しましたので内容についてレポートします。
公式セッション紹介(日本語訳)
・Session Title
BIZ211 | How Air Canada is innovating customer service across lines of business
・Session Details
Providing exceptional self-guided customer service is crucial for customer satisfaction and operational efficiency, such as improved experiences and reduced wait times. In this session, Air Canada shares their journey enabling differentiated, context-aware self-service with Amazon Connect across business units like Air Canada Cargo. Discover how Amazon Connect can help you design and deliver intelligent self-service capabilities, maintain context across channels, and provide personalized assistance all without specialized expertise.
・セッションタイトル
BIZ211 | エア・カナダが事業ライン全体で顧客サービスを革新する方法
・詳細
優れたセルフガイド型カスタマーサービスを提供することは、エクスペリエンスの向上や待ち時間の短縮など、顧客満足度と業務効率にとって重要です。このセッションでは、エア カナダが、エア カナダ カーゴなどの事業部門全体で Amazon Connect を使用して差別化されたコンテキスト認識型セルフサービスを実現した経緯を共有します。Amazon Connect が、専門知識がなくても、インテリジェントなセルフサービス機能の設計と提供、チャネル間のコンテキストの維持、パーソナライズされたサポートの提供にどのように役立つかをご覧ください
セッションの概要
エア・カナダ社が、Amazon ConnectとAmazon Q, Salesforce Service Cloudを活用して、旅客部門と貨物部門の両方でカスタマーサービスを近代化し、顧客体験を変革した事例を紹介します。
セッションの説明・レポート
当セッションではSebastian Cosgrove氏 (エア・カナダ 貨物担当ディレクター)とSheila Smith氏 (AWS プリンシパル Amazon Connect スペシャリスト) 2名でのセッションになっています。
アジェンダの内容は下記になっており、業界のトレンドやエアカナダ社についての内容になっています。
- 業界のトレンド
- 組織が顧客にサービスを提供する方法に影響を与えている新たなトレンドは何ですか?
- エア・カナダの紹介
- ビジネス概要、顧客体験の近代化、成果
- Fireside Chat
- エア・カナダの事業全体における最新情報と今後の展望に関するQ&A
業界のトレンド
当項目ではお客様からご連絡頂く際によく聞かれる課題に関して説明がされました。
説明で出てくる「エージェント」は電話やメール対応をするカスタマーサポートのスタッフさんを指します。
- 断片化されたカスタマージャーニー
- 顧客がWebベースのセルフサービスから始めても、エージェントサポートにエスカレーションする際にコンテキスト情報が引き継がれない。
- エージェントが最初に「あなたは誰ですか?」と基本的な質問から始める必要がある。
- エージェントの非効率的なワークフロー
- エージェントは顧客対応のために6~10個の異なるバックエンドシステムを切り替える必要がある。
- これにより、作業が非効率的になり、顧客体験が悪化する。
- 管理者のデータ活用の制約
- 監督者や管理者は統合されたデータにアクセスできないため、ビジネス成果の監視、測定、改善が困難。
- 改善を試みても、実装に時間がかかる。
2023年のガートナーの調査によると、組織が直面した最大の課題の1つは、顧客が望むサポート体験に迅速に対応することについてと、これらの課題は、組織がコンタクトセンターが顧客に提供しているエクスペリエンスに満足していないことをしてしているという説明がされています。
続いて、スライドが変わり「顧客の約46% は、コンタクトセンターで話すよりも歯科医に行くことを好みます」と表示されます。
ここでは実際に顧客がカスタマーサービスに連絡をして、やり取りをするが待ち時間が多くあり、挙げ句の果てに問題が解消しないなど終了してしまうなど辛い点を解説されています。
歯医者なら虫歯など問題を治療してすぐに直してくれますと、、、(記入者)私は歯医者イヤですが、、、
続いてセルフサービスの傾向と課題に関して説明があり、コンタクトセンターのコストの70%はエージェントの人材配置であり、企業は低コストのチャンネル(セルフサービス)への転送をする傾向がある点と、
70%の顧客はライブエージェントに連絡するよりも、自動化されたセルフサービスを好む点が説明されています。
ただし、非効率で効果のないセルフサービスは顧客に悪い体験を与える課題もあるとのことです。
続いて、顧客の好みの問い合わせを確認すると一番求められるのは「電話」で2021年から2022年に書けて今での上昇傾向にあると解説がされていました。
オンラインチャットなどが普及してきていますが電話による問い合わせは現在も利用者が多い状態です。
続いて 対話型音声対応(IVR)のトレンドに関して解説がされていました。
ここでは2030年まで継続した成長が行われる点と、次世代IVRにて顧客の満足度を500%引き上げれる可能性がある点についてまとめられています。
また、IVRを使う場合に気をつけないとけないといけない点と顧客情報を元にパーソナライゼーションする話がありました。
続いてIVRとしてAmazon ConnectとAmazon Qの機能が顧客体験の課題をどのように解決しているかについて説明します。
当部分は箇条書きで記載をいたします。
- Amazon Connect の概要と実績
- 市場をリードするネイティブクラウドコンタクトセンターソリューション
- AWS のスケーラビリティニーズを満たすために開発。
- Amazon 小売業のビジネス俊敏性を向上。
- 現在、数万の顧客が利用し、1日あたり1,000万件以上のやり取りを処理。
- AIと機械学習を基盤にした顧客体験の変革
- 会話型チャットボットやIVR(自動音声応答)の導入で顧客とのやり取りを革新。
- 会話分析やリアルタイムの発信者認証などに長年投資。
- 市場をリードするネイティブクラウドコンタクトセンターソリューション
- 生成AIによる機能強化
- コンタクトセンター全体の効率性と洞察の向上
- 予測、キャパシティプランニング、スケジュール(FCS)
- 非常に正確な予測とスケジュールを提供。
- 会話型セルフサービスの強化
- 効果的な封じ込めと回避の機会を増加。
- 音声・デジタルセルフサービスの設計と市場投入までの時間を短縮。
- 予測、キャパシティプランニング、スケジュール(FCS)
- エージェント支援の強化(Amazon Q for Connect)
- リアルタイムのエージェントアシスト
- 推奨される応答、アクション、リンクをエージェントデスクトップ内に表示。
- エージェントが複数のバックエンドシステムを切り替える必要をなくし、顧客対応に集中可能。
- 連絡先要約機能
- スーパーバイザーとエージェントに簡潔で完全な要約を提供。
- 時間を大幅に節約し、エージェントのメモ作成を不要化。
- 例:Neo Financialでは処理時間を約90秒短縮。
- AWS の取り組みと価値提供
- 生成AIへの継続的な投資
- 適切なセキュリティ、精度、観測性を確保しながら、顧客に真の価値を提供。
- 新機能による効率性向上を目の当たりにし、さらなる改善を目指す。
- 生成AIへの継続的な投資
- リアルタイムのエージェントアシスト
- コンタクトセンター全体の効率性と洞察の向上
当説明の中では実際に仮想ユーザを利用した顧客体験の流れの説明があり、高いエクスペリエンスが提供できている点とSalesforce Service Cloudと連携をすることでエージェントに必要な情報が連携が出来る点について話がありました。
エア・カナダの紹介
当項目ではエア・カナダ社のCosgrove氏が実際に社内での課題と上記の仕組み導入に関しての説明がされました。
内容は「旅客線」と「貨物線」で分かれて説明されています。
まず、「旅客線」では顧客量の増加に伴い、通話料の増加、手動キューの増加、レガシーシステムによる待ち時間がが発生することで顧客満足が低下する問題がありました。
当課題に対してAmazon ConnectとAmazon Qによるセルフサービスのアプローチにより顧客満足の向上とその他メリットがあった点が説明されました。
続いて「貨物線」の場合は、インタラクション量とオペレーションの作業負荷計算、スケール調整の難しさ、顧客サービスレベルの調整とレポート化の問題がありました。
当課題に対してAmazon ConnectとAmazon Q, Salesforce Service Cloudによる情報統合のアプローチによりメリットがあった点が説明されました。
シームレスな連携により下記メリットがあったとなっています。
- 当仕組みによる価値
- どこからでもコンタクトセンターを運営可能
- 電話による エージェントの生産性を向上
- どこからでもエージェントを監督および指導が可能
- 価値の推進要因
- 単一のコンソールと顧客の360°ビュー
- すぐに使えるテレフォニー統合 (AWS)
- CRM統合された音声、チャット、メッセージング
- リアルタイムの通話文字起こし (AWS)
- ビルトインオートメーションとAl
- 最新の機敏な IVR (AWS)
- CRMデータモデルにおける会話
- コールセンターの洞察と分析
- 統合されたスーパーバイザービュー
- リアルタイムエージェントガイダンス
- 取れるようになった成功指標
- 顧客維持
- ファーストコンタクトの解決策
- CSAT/NPS
- クロスセル/アップセル
- コールディフレクション
- エージェントのパフォーマンス
- スーパーバイザーの管理時間
- 平均処理時間
- 通話終了時間
Fireside Chat
当項目ではエア・カナダ社が目指す、コンタクトセンターの今後の展望に関する説明がされました。
当内容はトークによる説明となっていまして下記箇条書きで紹介いたします。
- エア・カナダが Amazon Connectを選んだ理由
- ビジネス継続性とグローバルな事業管理の必要性にマッチ
- カナダの通信業界は大手5社のみで、インフラの共有により1社がダウンすると全体が影響を受けるリスクがある。
- Amazon Connect は、ビジネスの継続性を確保しつつ、グローバルな事業拡大を支援。
- 乗客側と貨物側の両方での利用に都合がいい
- すぐに使える拡張性とカスタマイズ能力を提供。
- 異なる事業分野でも類似した成果を実現。
- ビジネス継続性とグローバルな事業管理の必要性にマッチ
- 移行・近代化プロジェクトの教訓とアドバイス
- タイムラインの延長
- 変更や移行には時間がかかるため、現実的なスケジュールを設定することが重要。
- 中途半端な導入は従業員や顧客の信頼を損なうリスクがある。
- スコープクリープ(範囲の拡大)に注意
- 最新のツールを追加しすぎると、コストが膨らみプロジェクトが複雑化する。
- プロジェクトの範囲を明確に限定することが重要。
- 明確な戦略とビジョンの定義
- 機能ではなく、達成したいビジネス成果に焦点を当てる。
- 新しいツールやテクノロジーを導入する際、優先順位を明確にする。
- 人材への重点
- 従業員の変更管理を重視し、彼らをプロセスに早期から関与させる。
- 特に生成AIの導入により、従業員が不安を感じる可能性があるため、適切なサポートが必要。
- 知識管理の重要性
- AIの推奨結果は、知識管理の質に依存する。
- しっかりとした知識管理の基盤を構築し、適切なプロセスを導入する。
- タイムラインの延長
- パートナーシップと契約の重要性
- 適切なパートナーの選定
- 単なる契約相手ではなく、信頼できるパートナーを見つけることが重要。
- 契約書をよく読み、既存の機能やオプションを最大限活用する。
- 適切なパートナーの選定
- エージェントと人材の重要性
- エージェントの役割の進化
- 生成AIやセルフサービスツールの進化により、エージェントはより専門的な対応が求められる。
- 難しい問い合わせに対応できるスキルを向上させる必要がある。
- 人、プロセス、テクノロジーのバランス
- プロジェクト成功のためには、この3つの要素を均等に重視する必要がある。
- どれか1つを無視すると、全体のバランスが崩れる。
- エージェントの役割の進化
- 他の組織へのアドバイス
- リサーチと適切なツールの選定
- ビジネスに適した拡張可能なツールを選び、成長をサポートするものを導入する。
- 新しいツールや機能を導入する際は、戦略的に計画する。
- 継続的な調整と改善
- プロジェクトは一度で完了するものではなく、継続的な調整が必要。
- 舞台裏での努力が顧客体験の向上につながる。
- リサーチと適切なツールの選定
まとめ
エア・カナダは、Amazon Connectを活用して顧客体験を大幅に改善し、問い合わせの効率化を実現しました。
特に、IVRシステムの近代化とセルフサービスの強化により、顧客満足度を向上させ、コスト削減にも成功しています。
当仕組みを短期間で実装する際に、Amazon ConnectとAmazon Q、Salesforce Service Cloudは大変理にかなったサービスとなっています。
さいごに
今回クラスメソッドからは 100名を超えるメンバーで参加をしております。
既にブログで出ています通り、参加メンバーはみんなクラニャンのジャケットを来て参加をしております。
現地に参加をされている方はぜひ、メンバーにお声がけを頂けたらと思います。
また、re:Invent終了後は参加メンバーにて各拠点毎にAWS re:Invent ふりかえり勉強会「re:Growth 2024」も各オフィスで開催を予定しております。
現地の様子を聞いてみたい方もぜひご参加頂けたらと思います。